【鬼滅の刃】胡蝶しのぶを考察する

 
※ジャンプ連載の多大なネタバレを含みます。
 アニメ派、単行本派の方はご注意ください。

 

鬼滅の刃、アニメも連載も非常に盛り上がっております。
今回はそろそろアニメにも登場する(と思われる)『胡蝶しのぶ』さんについてです。

しのぶさん・・・。

胡蝶しのぶとは

 胡蝶しのぶ

鬼殺隊最高戦力である柱の一角・蟲柱。
筋力がなく鬼の頸を斬れませんが、自ら開発した毒を武器に戦います。
薬学に精通しており、「蝶屋敷」にて隊士の治療をする役割も担っています。

「人間と鬼は仲良くすればいい」という独特の考えを口にしていますが、
その本心は・・・。
 
年齢は18歳。
蝶の髪飾りが目印の小柄な少女です。
善逸曰く、「顔だけで飯食っていけそう」というほどの美貌の持ち主。

登場後すぐに人気が爆発し、第1回キャラクター人気投票では第6位となっています。

悲惨な過去

幼少期

両親を鬼に殺されています。
そこで自分と姉・カナエも殺されそうになったところを岩柱・悲鳴嶼に助けられました。
その後「私たちと同じ思いを他の人にはさせない」とカナエとともに誓い、鬼殺隊に入隊します。

姉・カナエの死

十二鬼月 上弦の弐・童磨にカナエを殺されます。
死の間際のカナエに仇を討つことを誓い、現在は鬼殺隊最高階級である柱まで昇り詰めています。

姉の死による変貌


作中で明言されたわけではありませんが、
しのぶの性格はカナエの死をきっかけに大きく変わっていると思われます。

時系列ごとに見ていきましょう。

第6巻「番外編」
鬼殺隊入隊後。
カナエが生きている頃、継子のカナヲと出会うお話です。
この回のしのぶは現在の性格とまるで異なり、はじめは別のキャラだと勘違いした方も多かったのでは。

 ・キリッとした目つき
 ・強めな口調
 ・ボーイッシュな風貌

現在のアオイに近い性格に見えます。

現在
姉・カナエ亡きあと。
我々のよく知る現在のしのぶさんです。
後輩である炭治郎たちや継子のカナヲにも丁寧語で話しています。

 ・常ににこにこ笑顔
 ・おっとりした口調
 ・「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに」などとのたまう

まるで別人ですね。

ここで、姉であるカナエの性格を見てみます。
 
 ・常ににこにこ笑顔
 ・おっとりした口調
 ・鬼を憐れむ慈悲の心を持つ

あっ・・・(涙)


現在のしのぶは、亡き姉・カナエの生き写しであることがわかります。

作中でしのぶは以下のように語っています。

  「でもそれが姉の願いだったなら私が継がなければ
   哀れな鬼を斬らなくて済む方法があるなら考え続けなければ
   姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく」

姉の望んだ鬼を斬らなくて済む方法から「毒による鬼殺し」に行きついたのかなと思います。
結果として頸を斬る腕力のないしのぶが唯一鬼を殺せる手段となっているのですが。

常に笑顔なのは生前の姉が「好きだ」と言ってくれたから。
でも果たして、カナエが好きと言っていたのは現在のような張り付けた笑顔なのでしょうか・・・。
それを思うと悲しくなります。

作中で明言されたのはこれだけです。

「鬼の頸を斬らない道を見つけたい」という想い、「笑顔を絶やさない理由」は判明していますが、しのぶとカナエの人格までそっくりになっている理由ははっきりと語られていません。
番外編がジャンプに掲載された時はカナエ=しのぶと勘違いしていた読者も多かったほどであるにも関わらず。

想像できる理由は、「亡き姉の姿をこの世に留めておきたかった」とかでしょうか。
これが無意識か意識的かという話ですが・・・

「だけど少し… 疲れまして」

「落ちついて大丈夫よ 姉さん私を落ちつかせて
 感情の制御ができないのは未熟者 未熟者です」

これらの台詞から、日ごろから無理して意識的に姉を模倣した人格を演じてたことが推測されます。

初登場時はニコニコしながら鬼と仲良くしたがるサイコパスっぽい印象でしたが、
柱合会議や蝶屋敷では常識人っぽいところや優しいところが見え始めます。
超聴覚を持つ善逸はしのぶのことを以下のように語っています。

「しのぶさんって人の”音”は独特なんだよな
 今まで聞いたことない感じだ
 規則性がなくてちょっと怖い」

はじめは「キャラが定まっていないだけかな?」とも思っていましたが、
実際は「無理して別の人格を演じている」というのがしのぶのキャラクターであり、
読者がしのぶに感じる違和感は吾峠先生によって意図的に生み出されたものになります。
その手腕には天晴です。

しのぶの本質とは


これは鬼への「怒り」です。

表面上はにこにこおっとりしていて可愛らしく、
癒し系お姉さんといったイメージがあります。
しかし実際は鬼によって人生を狂わされ、
18歳にして復讐に捕らわれた悲劇のキャラクターです。

しのぶさんは初期から死亡フラグがわりと立っていたので、
最期のシーンは私もいろいろ予想してました。

『カナヲに自分の意志を託し、
 月明かりの下で昔の夢を見ながら安らかに死亡・・・。』

とか考えていたのですが実際は…

激情に身を任せ、姉の仇・童磨に挑むも毒が通用せず…。
殺される直前も怯むことなく敵意むき出しで、最期の言葉は「地獄へ堕ちろ」です。
痺れました・・・。

匂いで感情を読み取れる炭治郎曰く、

「いつも怒ってる匂いがしていて
 ずっと笑顔だけど…」

童磨戦にて殺される直前のしのぶのモノローグでは

「そう 私 起こってるんですよ 炭治郎君
 ずっとずーーーっと怒ってますよ」

そしてしのぶ死亡回のサブタイトルは第134話 怒り

これらのことから、
しのぶは鬼への「怒り」を本質として作られたキャラクターだと考えられます。

悲しいのはカナヲや蝶屋敷の子たちの存在がしのぶの生きる理由にはならなかったことです。
童磨への復讐より優先するものにはなりえませんでしたが、
彼女たちの存在がしのぶさんへ安らぎを与えてくれていたことを祈ります。
カナヲが自分の意志を見せ始めた時は心から嬉しそうにしていましたし、
大切に想っていたことは間違いないと思います。

自らの体内にしこんだ毒とカナヲ、伊之助により童磨を倒し、しのぶの復讐は果たされます。

死後の世界では姉と手をつなぎ両親に抱き着くしのぶの姿が。
その姿は両親を殺される以前の幼いころのしのぶであり、いままで見せたことのない満面の笑顔です。
これがしのぶさんの嘘偽りない本当の姿ということでしょう。

ずっとずっと続ていた鬼への怒りから解放されて普通の女の子に戻れたのです。
しのぶさん、本当にお疲れさまでした。(号泣)



アニメに登場した暁には、すべてを忘れて可愛いしのぶさんの活躍を楽しむぞ!

(現実逃避)

おわり。

 

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